はじめに
八王子市アマチュア無線クラブでは、新制度である「アマチュア無線の交信体験運用制度」の施行に伴い、八王子市内でアマチュア無線体験運用の場を定期的に設けています。
2023年8月26日(土)に、八王子市こども科学館(サイエンスドーム八王子)の夏休みイベントの一環として、来館者の方々を対象にアマチュア無線運用体験会を実施しました。
今回のこども科学館での体験運用会について総括しましたのでご紹介します
体験運用をどのように制度趣旨に沿って対応すべきか悩みを抱えているクラブ局や団体の皆さまにも役立てられること、また、互いの体験運用制度活用の一助になれば幸いです。
なお、本ページの内容はJI1NQG 桑原さんが作成された総括資料の内容をご紹介するものです。
オリジナルのPDF版はここからダウンロードしていただけます。
※編集可能なパワーポイント版もご用意していますので、必要な方はこちらからお気軽にご連絡いただき、是非ご活用ください!
(パワーポイント版には交信前のオリエンテーション資料、シナリオカードや受付票、アマチュア無線体験証書 等、実際に使用した資料データがOffice形式やPDF形式で含まれていますので是非ともご活用ください)
体験運用実施の狙い
こども科学館への説明
今回の八王子市こども科学館での体験運用会の開催は、八王子市アマチュア無線クラブから こども科学館へのアプローチからスタートしました。
そのときの説明内容は以下の通りです。
アマチュア無線は、無線を使ったコミュニケーションと技術探求の趣味として子どもからシニア世代まで幅広い方が楽しむことができるものであり、また、無線通信技術の中でも一番身近に触れることができることから、入門レベルのIoTやワイヤレス技術の知見を「体感的に」身につけることができるものと言われています。
今後、ますます電波の重要性が高まっていく中、アマチュア無線を活用したワイヤレス人材育成の裾野を広げるため、アマチュア無線を「ゆりかご」に、電波の楽しさ・大切さ・使う責任を学び協調性や感覚的に電波の伝わり方を身につけた青少年が、将来グローバルに活躍する技術者・研究者へと育っていくことを期待されています。
【総務省総合通信基盤局電波部移動通信課「ワイヤレス人材のためのアマチュア無線の活用等に係る制度改正①」】
そこで、今回こども科学館での国の制度趣旨に沿った「アマチュア無線体験運用」を行うことにより、こどもたちがアマチュア無線で初めて交信したときの感動を共有し、無線通信よるコミュニケーション、電波を使用した無線通信の不思議で奥深い体験をする中で、将来の電気電子技術者・研究者を目指す一助となることをめざします。
上記の初回アプローチでの説明の後も、何回かの打ち合わせやメールのやり取りなどを行い、今回のこども科学館でのアマチュア無線体験会実施が実現しました。
こども科学館のスタッフの皆さまをはじめ、関係各位のご協力を賜りましたことにお礼申しあげます。ありがとうございました。
科学館体験運用ポイント
八王子市アマチュア無線クラブの定例会では、こども科学館でのアマチュア無線体験会の開催に向けて開催日の選定、開催のポイントや課題について議論を行いました。
議論のポイントは以下の通りです。
- 初のこども科学館での試みであること
- 夏休み期間中
- 実施日は2023年8月26日(土)
- 夏休み期間中のこども科学館での体験運用会
- こどもの参加者(小学校低学年層が多い)
- 科学館体験運用ノウハウがない
- クラブ単独の科学館運用は初、手探り(2017年の8J100Hは市と一体で実施)
- 体験運用者数が読めない(想定し体制準備が難しい)
- ラジオ工作体験がないので純粋なアマチュア無線体験運用会(集客の不安)
- 前回、2023年3月、4月の第1、2回体験運用の経験をフルに活かす
- スタッフ数
- 限られたスタッフ数で運営(当日9名)
- 夏休み期間中
- こども科学館側から条件があること
- アンテナを含めた説明は当日設営、当日撤去
- アンケートは科学館で回収まとめる(個人情報の入手は厳禁)
- 八王子市AMC クラブ員の勧誘禁止
八王子市こども科学館 「コニカミノルタサイエンスドーム 」とは
東京都八王子市大横町にある八王子市の子供科学館。
遊びながらカガクを学べるコーナー、プラネタリウム、地域の化石や隕石、工作室、屋上星空観察会などがあります。特にプラネタリウムが人気です。
なんと駐車場には地下鉄丸ノ内線500形の実物車両が展示されています。
※八王子市ホームページより引用
当日の運用実績
日時 | 2023年8月26日(土) 10:00〜15:00 ※科学館の閉館は17時。当日撤去の必要があり前倒しで終了 |
交信体験者数 | 16名(未就学児の名前だけ交信3名含む) 430FM : 14名 144FM : 2名 保護者、見学のみの方を入れれば当日の来場者数は50名前後 |
【貴重】当日の体験運用ログの一部と交信内容!
実施方法・工夫
広報・体験コンテンツ
- こども科学館運用ノウハウがなく来場者数が読めない
- こども科学館での体験運用。実験コーナーを含めコンテンツの充実化を図る
事前広報活動
「広報はちおうじ」掲載、クラブ員によるX(Tweet)
クラブブログ掲載
※「広報はちおうじ」は科学館側で対応
※ 効果のほどは不明(当日科学館に来たこどもに声掛けで集客したのが実態かも)
体験コンテンツ
当クラブの体験運用の狙いを体現するため、単なる無線交信だけで終わらせない
①~④のコンテンツを30分程度できるようにする
各コンテンツはこどもにも判りやすく作成しています。
下記コンテンツ名は、アンケートと連動しています。
コンテンツ | 内容・狙い |
---|---|
①無線交信 | はじめての無線交信の感動を共有する |
②最初の講義 電波・通信の概念 無線機の操作 交信のルール | ・生活に欠かせない電波の重要性と、 目に見えない電波を実際に音で聴いてみる ・長点、短点を使って無線で自分の気持ちを伝えて見る ・半二重通信について知る、PTTの操作を習得 ・コールサインや通話の型を知る |
③単極モーター | 単極モーターでフレミングの左手の法則で遊ぶ |
④蛍光灯点灯実験 | 蛍光灯やLEDを使ってアンテナの周りの電波を可視化してみる |
⑧ビデオ番組 | 総務省総合通信基盤局「たのしい電波教室」の上映し、電波に親しんでもらう (※事前に総務省に上映について確認し上映しています) |
会場動線
- 初回のこども科学館体験運用会のため規模は最小限としつつも、万一混雑した場合に動線が滞留しないレイアウト
- 「最初の事前オリエンテーション(講義)」は無線機の操作方法だけでなく、電波を使ったコミュニケーションの概念について実験装置を用いて解説
- 「無線交信」は交信のはじめと終わりを有資格者が行い、事前オリエンテーションの説明員がバックアップに入りこどもが無線交信に集中できる環境をつくる
- 「実験展示」は電波の不思議さを感じてもらう展示を行う。安全に考慮し、クラブ員が付き添い実演を行う
会場は こども科学館 2F 講座室の半分を利用
役割分担
- 展示コンテンツ数、会場運営を考えると当日のスタッフ9名はギリギリ。兼任で対処
- 役割を次の通り分担して運営(記載内容は計画時のもの)
役割分担一覧
No. | 役割名称 | 人数 | 対応事項 |
---|---|---|---|
1 | 呼び込み | 1 | ・閑古鳥にならないよう集客、混雑時の人流調整 |
2 | 受付 | 1 | ・時間を確認(基本 今すぐやってもらう) ・撮影可否、正面なし、安全注意事項の説明 ・受付票記入、流れを説明してストラップを渡す |
3 | 事前説明 オリエンテーション | 2 | ・交信シナリオにハンドルネームを入れシナリオカードを作成 ・電波の基礎説明、交信シナリオ読み上げ練習、PTT操作説明 |
4 | 交信オペレーター | 2 | ・交信相手局の確保(CQ、体験交信の相手局了解取り付け) ・ログ記録、連絡設定、終話 |
5 | 交信サポート | 2 (No.3兼任) | ・No.3と同じ人が行う(こどもが安心する)、交信サポート ・QSLカードに署名(ハンドル名)してもらう、体験証作成、交付 ・記入したQSLカード、シナリオカード保管 |
6 | 展示 | 1 | ・単極モーター、電波による蛍光灯点灯、八木アンテナ実験 ・実験操作と動作原理の説明、資料配付 ・こどもに体験させる |
7 | さくら | 1 (兼任) | ・体験者にわからないよう影で交信 (※交信相手局がいないタイミングのみ) |
8 | 撮影 | 1 (兼任) | ・各セクション体験中の写真、クラブ員集合写真 ・撮影可/否に注意して撮影、正面からの写真撮影は行わない ・データ保存 |
9 | 動画再生 | 1 (兼任) | ・途切れないよう再生(総務省 総合通信基盤局「たのしい電波教室」) ・こどもが楽しんでみる動画を判断(次回用) |
10 | アンケート | 1 | ・ストラップ返却時にアンケートへの協力をお願いする ・体験者用、保護者用があるので渡すときに確認(特に大人) ・アンケートだけでなく感想も聞いておく |
11 | 全体統括 | 1 | ・運営指揮 |
※スタッフ9名はこのイベントにはギリギリの人数ですが、休日にこれだけのメンバーが集合できるのもクラブの力ですね
受付
- 「受付票」は個人情報を取得しない。体験運用会に必要最低限の情報とする
- 過去の反省から来場者の撮影可否が一目でわかる工夫を行う
受付票
- 受付票は個人情報を取得しないよう、体験運用に必要な最低限の情報とする
- 名字(ハンドル)、学年(シナリオ用とHF対応可否判断)、撮影可否(正面なし、クラブHP掲載・雑誌投稿の可能性を明示)
※科学館側から、こども自身による写真撮影可否判断の年齢は中学生以上とするよう指示がありました
ネック ストラップ(赤・白)
撮影可否が撮影者から一目で判断できるツールに使用
・白 ⇒ 撮影可
・赤 ⇒ 撮影不可
ストラップ内に入れた参加パス(カード)
気分を盛り上げるデザインとしましたが・・・名前欄を忘れました
事前説明オリエンテーション
- 事前説明オリエンテーションはクラブの体験運用会の目的を達成するうえで重要なコンテンツ
- 下記内容を一気に行えるように構成しています
- 生活に身近な電波
- 目に見えない電波を音で聴く
- 無線を使って自分の気持ちを伝える
- PTTマイク操作
- 体験交信シナリオ作り
- 交信の読み上げ練習
- 下記内容を一気に行えるように構成しています
- 工夫は紙芝居風資料とし、簡単な実験装置も使って体験を交えて行う
続いてコンテンツの詳細をご説明します。
オリエンテーション資料
アイスブレイク
子供たちの緊張を和らげる会話から入ります。
・おじさんの名前は○○です。きみの名前を教えて
・夏休みはどんなことした
・へぇ、3年生か。日焼けすごいね
など
電波を使うためにはルールがあることを伝えます。
でも難しい話だけじゃないことを知ってもらうため簡単な電波実験もあることを伝えます。
簡単なクイズをだします。
身近にあるものについてちょっと考えてもらいます。
交通系ICカードも入っています。
簡単ですね。
ぜんぶ「電波」を使っています。
でも一体電波ってなんだろうって疑問が湧いてきます。
実は、電波ってとっても簡単に作れちゃうことを、電球のオンオフでイメージをしてもらいます。
でも、電波っていったい何だよってさらに謎が深まります。
そこで実際に「電波」を出す実験をしてもらいます。
仕組みはカンタン。マブチモーターを回して出てくるノイズをAMラジオで受信する実験です。
マブチモーターは「ミニ四駆」で使っている普通のモーターだってことも伝えるとイメージが湧きます。
スイッチ(玄関チャイム)を押すとラジオから「ビー」って音が出る仕掛けです。
実験装置から線がつながっていないラジオから突然「ビー」と音がすると、結構驚きます。目に見えない電波を音で捉え電波をイメージしてもらいます。
でもこれだけでは面白くないのでもう一つ実験をします。
講師役から質問をして、子供にYes,Noを「電鍵」で答えてもらいます。
<質問者>
「○○君はカレーが好きですか?」
<受講者>
「ビ~~~」
<質問者>
「○○君はカレーが好きだってことがおじさんに伝わったぞ!」
簡単な仕組みで無線交信を行いました。ここで子供の中で気づきがあるはずです。
これを複雑化したものがスマホや地デジになることを伝えます。
今実験した、電波を使って情報(気持ち)を伝えたことが、無線交信の基本であることを伝えます。
ここでこの後の体験運用の流れを説明します。
最初に伝えないのは子供はきっと嫌になっちゃうからです。
交信練習と体験終了後に交信体験証がゲットできることを伝えます。
別ファイルの「シナリオカード」白紙を用意します。
(A) 白紙のシナリオカードに受付時の「なまえ」「和文通話表」「学年」を書き入れます。
(B) 体験者に「相手の人とどんなことを話をしたい?」と聞きます。好きな食べ物、スポーツ、趣味など体験者に合わせてシナリオカードを埋めます。
体験者用のシナリオカードが完成
読上げ練習を行い、体験運用コーナーまで一緒に持っていきます。
シナリオカードが完成したら交信の全体の流れを簡単に説明し、体験者が発生する箇所が赤字部分であると説明します。
ここで無線局にはコールサインがあり、とても大切な符号であることを教えます。
また会話のはじめと、おわりに「了解」「どうぞ」をいれることも伝えます。
※交信のはじめと終わり(「連絡設定」と「終話」)は有資格者の責任で必ず行います。
体験者が発声する箇所だけにクローズアップしたページです。
前のページで準備した体験者用シナリオを使って読み上げ練習をします。
【参考】
読み上げ練習ではアルファベットと「/」ポータブルにつまずくこどもが多いです
※交信シナリオは7K1BIB局のHP掲載されているものを参考にさせていただき、八王子市アマチュア無線クラブでシナリオ選択式にカスタマイズしました。
今までの体験局運用の経験が詰まったものだそうです。ありがとうございます。
無線機の使い方と話すときのコツを説明します。
半二重通信を知らない子供には新鮮な機械操作です。
マイクに向かってしゃべるときは大きな声を出すように伝えます。子供は声が小さくなる、口とマイクが離れる、傾向にあるのでしっかりとコツを教えます。
【ポイント】
自信がなくて大きな声を出せないお子さんもいます。その際は口とマイクの距離を狭くし、リグのマイクゲインを適宜調整してあげてください。
それでは体験開始です。
交信
- アンテナ、リグはHF帯 × 1、VHF/UHF帯 × 1を用意、計2セット
- HF帯(7MHz)はノイズが多く運用を断念。原因は科学館屋上の太陽光発電からのノイズの可能性
- 体験運用は交信オペレーターとサポート役の2名体制で効率的でミスのない運用へ
リグ・アンテナ
クラブでの月に1~2回の移動運用の経験が活き、屋上のアンテナ設置はスムーズに完了
バンド | アンテナ | リグ | 備考 |
---|---|---|---|
HF帯 | ロングワイヤー 及び、AH-4 | IC-7300M | 50W機 |
VHF帯 UHF帯 | X6000 (144/430/1200) | IC-9700 | 50W機 |
HF帯 VHF帯 | − | IC-7400 | 予備機 |
ノイズ問題
屋上にある太陽光発電のパワーコンディショナーからと思われるノイズが発生、
HF帯は了解度が悪く、子供が行うには厳しいと判断しHF帯(7MHz)は断念。
アンテナ設置場所の見極めが課題
交信時の体制
2名体制で実施
・交信オペレータ:QSOと交信ログに集中
・サポート役 :体験運用者の交信指導と交信体験証・QSLカード作成作業に集中
分業で効率的でミスなく実施できるようになった。
交信体験証・QSLカード発行
- はじめてのアマチュア無線交信成功を「交信体験証」で盛り上げ
- 交信相手局には体験者のサイン入りQSLカードで感謝の気持ちを伝える
- 段取りは交信中に交信サポート役が行う
緊張のQSOが終わって体験証を交付します。クラブ員も一緒に拍手で渡すと喜びも倍増します。
文章はチャレンジする気持ちを醸成するため少しだけ上から目線の表現にしています。
交信相手局には体験者のサイン入りQSLカードが届きます!
拙い文字が味わい深いです
実験展示
- アマチュア無線体験運用の狙い「無線通信の不思議で奥深い体験」を意識した展示
- 目に見えない電波(磁力)を視覚で感じたり、触れてみる
- アマチュア無線家による分かり易い解説
- クラブ員を1名常駐させ安全面も考慮する
実験展示の内容
展示名 | 内容 | 学び |
---|---|---|
単極モーター | ・単三電池 ・ネオジム磁石 ・M6ナット ・針金 を使った簡単モーター | フレミング左手の法則 モーターの動作 |
蛍光灯点灯 八木アンテナ動作実験 | 八木アンテナで蛍光灯や LEDを光らせる実験 | 蛍光灯の動作 八木アンテナの動作 電波を視覚化してみる |
実験展示の準備、並びに、丁寧に展示説明をするJK1QIV局
資料の作成から解説まですべてを一人で対応!
お疲れさまでした。
人気の単極モーター
簡単な仕掛けでありながら、その動きはいつまでも遊んだり眺めていたくなる実験
実験展示説明資料
単極モーター
すべてJK1QIV局作成の丁寧で分かり易い資料
資料は各20部用意、当日ほぼ配布
蛍光灯を使ったアンテナ特性
八木・宇田アンテナの実験
ビデオ番組
- 音を出して会場の雰囲気づくり
- 順番待ちでも子供を飽きさせないコーナーとして設置
- 総通「おもしろ電波教室」を上映。内容少しお堅い(電波の適正利用の啓発)のが難点。今後、行政等の子供向け番組コンテンツ増加に期待
YouTube 総務省総合通信基盤局
「デンパ君と学ぼう! ~おもしろ電波教室~」を連続上映
行政の子供向けの電波教室番組は大変ありがたい。
今後増えていくであろう各地の「体験運用会」で上映できる子供向けコンテンツが増えることに期待。
例:「まんがなるほど物語 アンテナ」みたいな番組
参考: 総務省総合通信基盤局 たのしい電波教室ホームページ
【設置の様子】
モニター、スピーカーを設置して会場内で上映
各種集計
体験運用分析
- 体験運用分析:集計情報は当日受付票23名分と交信ログ16交信分から集計
- HF運用ができなかったのは残念だったが、特別な対応を除き「さくら」局対応はなくても運用が行えた
●学年別体験運用参加者
低学年以下で69%を占めた
●運用バンド(モードは全てFM)
HF帯は科学館屋上の太陽光発電のノイズ(?)のため運用を断念
144MHz帯は会場混雑対応で急遽運用
●さくら局出番状況
周波数 | クラブ外 | さくら局 | 計 | 備考 |
---|---|---|---|---|
144 | 0 | 2 | 2 | 混雑対応で急遽144MHz帯でQRV |
430 | 11 | 3 | 14 | 未就学児のためさくら対応 |
総計 | 11 | 5 | 16 |
「さくら」は、混雑対応と未就学児の特別対応のみで対応
通常のQSOはすべてクラブ外局で達成!
【アンケート結果】体験運用者こども
- アンケート数 体験者(こども): 7名
- 体験運用のほか、講義や実験も楽しいと評価。「次」につながる一手が欲しい
問1 学年は?
低学年が中心
問2 体験運用会は楽しかったですか?
3段階評価で楽しい100%のパーフェクト回答!
問3 特に楽しかったこと(複数回答)
無線交信がもっとも高い評価
問4 科学館に無線体験コーナーがあったらまたやってみたい?
この結果、科学館の方の感想を伺いたい
問5
アマチュア無線をやってみたいですか?
その場限りとならない仕組みが必要
問6 無線とマイコン(※)を使った実験に興味はありますか?
「分からない」が多いと思っていたが想像以上に肯定的な回答。マイコンは若年層に不可欠なコンテンツ
※Raspberry-Pi,Arduino,micro:bit,IchigoJam等と記載
【アンケート結果】保護者
- アンケート数 保護者: 7名
- 保護者からアマチュア無線は科学技術力、探求心が深まる趣味だと評価
問1 どなたと一緒に来られましたか?(複数回答)
問2
ご自身の年齢
問3 ご自身もしくはこどもが体験し楽しめたと感じたコーナー(複数回答)
問4 科学館でこの電波と無線のコーナーがあったら、またやってみたいですか?(やらせたいですか)
問5
アマチュア無線を知っていましたか?
問6 自身はアマチュア無線をやってみたいですか?
問7 アマチュア無線はお子さん、お孫さんにとって科学技術力、探究心が深まる趣味だと思いますか?
●理由(すべて「おおいにある」と回答された方のみ記載あり)
- インターネット時代にアナログも面白いと思います
- 身近にあるので、よく知ることが楽しいと思いました
- 世の中にあふれた技術と思うので
- 体験することで身近になりました
反省・今後の課題
メンバーコメント
- こども科学館での体験運用後、クラブのLINEで意見交換
- メンバーから得られたコメントをここに掲載
担当 | コメント |
---|---|
全体総括者 | ・2台のリグを用意。7MHzは空の状況により使用できず急きょモービルアンテナで144MHzに相手局もいなくてサクラで交信 ・430MHzのアンテナもソーラパネルの近くで雑音? ・受付をした後のオリエンテーション待ちの場所がビデオや展示で狭い ・オリエンテーション担当は最低3人は必要 ・最初にしてはうまくいったと思っています。 |
オリエンテーション | ・私は今回の体験運用で、一人の担当者が、最初のオリエンテーションから実際の体験運用まで、通しで担当するという形がとても良かったと感じました。 参加する子供たちに最初に少し時間をかけてオリエンテーションをすることで、最初は緊張してい た子供たちとも段々と打ち解けてきます。 そして担当者側も、参加する子供さん毎の個性に合わせて、その子供に合った話し方や表現方法に都度変えてコミュニケーションをとることができます。 その後、実際の体験運用に進んでも同一の担当者がサポートすることで、参加する子供たちも安心して体験運用に臨むことができたと思います。 ・もし、オリエンテーションと体験運用を別々の担当者が行うと、新しい大人とのコミュニケーションの取り直しとなることと、担当者が変わると表現方法や話し方の違いも加わり、参加する子供に戸惑いや不安を感じさせるかも知れません。 ・今回のこども科学館での体験運用では、オリエンテーション担当要員があと一人増やすと丁度良い配分になったと思いました。 ・初めてのこども科学館での体験運用イベントとしては、成功だったと思います。 |
交信 | ・先日の体験運用ですが、運用担当として周波数確保、相手局への体験運用の依頼またはその旨のCQの発出を行いました。 1.周囲の雑音(ほとんど人の音声)が非常に大きく、注意散漫になりがちであった。 実験や映像放映のテーブルを運用机と平行に置き、運用者と背中合わせになりかつ、距離を空ける配置したらいかがかと思います。 2.受信音に雑音が多く、ソーラー設備の影響では無いかと思料します。先ほどまでクリアに受信できていたのが、ある時を境に雑音に埋もれるようなことが多々ありました。 アンテナの設置場所がVUについてはケーブル引込口の直上、ソーラーパネルの横であったので、ケーブルの可能な限り移動する。 HF帯についてはコンディションもあるかと思いますが、ロングワイヤではなくマルチバンドでの運用はできなくなるが、フルサイズダイポールの使用を検討したい。 3.体験交信の前後は交信方法のお手本になるよう、通常より通話内容をゆっくりと明確に話すように意識した。そのさい、相手局に待機してもらった状態で体験者が準備に入り、その後相手局を呼ぶ段取りだとお手本の交信を聞いてもらうことができないので、お手本の交信を見聞きできるように、オリエンテーション担当者との間合いを取りたい。 4.保護者の中にも興味を持つ人がいるようなので親子共々体験してもらえば、帰宅後の話題作りになるのでは無いかと思いました。あわよくばおとなの入門も期待したいところです。 ・開館直後はあまり人も来ないので少し不安になりましたが、その後時間によってはごった返すような状況もあり、良かったのでは無いかと思いました。状況に応じてオリエンテーションの所要時間の調整も考えるようかもしれません。 ・交信シナリオ「/」は「ポータブル」とルビをつけるのではなく「ポータブル」と表記する |
実験展示 | ・サイエンスドームでのイベントで配布した資料ですが、単極電池: 17部、偏波: 17部、蛍光灯: 13部でした。 ・蛍光灯は、感電した説明者のトラウマで少し少なめでしたが、用意した20部がほぼ消化できた感じでした。 |
まとめ
良かった点
主に2023年3月、4月の当クラブ第1, 2回体験運用会との比較
No. | 分類 | 内容 | 評価理由など |
---|---|---|---|
1 | 交信 | 交信者(有資格者)以外にサポート役1名を配置 体験運用を2名体制で実施 | 有資格者が体験交信に集中できる |
2 | 交信 | 交信シナリオを見直し 事前説明時に話したい内容を選択して体験者毎のオリジナルシナリオに | 自分の会話を楽しむ 心の準備が出来る |
3 | 交信 | 「さくら」局が実質ゼロ 積極的に交信相手になってもらえるケースもあり | 体験運用が定着してきた |
4 | 実験展示 | こども科学館にふさわしい実験展示・解説しようが出来た | アンケート結果など |
5 | 受付 | ネックストラップの色で撮影可否の判別ができるようになった | 一目で分かる |
反省・今後の課題
No. | 分類 | 内容 | 今後の対応など |
---|---|---|---|
1 | 動線 | 体験運用と実験展示の距離が近い(交信に集中できない) 体験コーナーは前に(通路側)出して目立たせる | 動線を見直し、展示を受付側に移動 |
2 | 動線 | プラネタリウム終了後の混雑対応 それ以外は空き時間 | 時間帯に合わせた体制 |
3 | アンテナ | HFノイズ対策(太陽光発電ノイズ) V・UHF帯で2バンド運用 | アンテナ設置場所等検討 |
4 | シナリオ | 未就学児用の対応手順 | 各種簡略化 |
5 | 事前説明 | 混雑時対応のため3名は配置すべき | 2名に増強したが不足した |
6 | 受付 | ネックストラップカードに名前がなかった | 書式見直し |
7 | 交信 | 声を出すことが苦手な子もいる | マイク距離 ゲインで調整 |
8 | 交信 | 相手局の話が長くなることがある こどもとのコミュニケーションに熱中するケース | 良いことだが切り上げの対処も必要 |
9 | 交信 | 指摘があったわけではないが、交信終了後にマイクを消毒 | 感染対策実施 |
10 | 全体 | 評判は良かった 一過性にならず「次」にどうつなげていくかが課題 | 継続実施 展示内容充実化 |
付録
体験運用会風景
受付シーン
事前オリエンテーション
2名体制で実施
体験運用風景
左側オペレーター、右側サポート役
事前説明オリエンテーションで読み上げ練習中
(手前が簡単実験装置)
アンテナ設置・ロケーション
会場 ビフォア・アフター
資料ダウンロード
JI1NQG 桑原さんが作成された総括資料のオリジナルのPDF版(本ページの元資料)はここからダウンロードしていただけます。
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